導入事例

ペースノートで入退所の管理だけでなく、情報共有やチームワークも大幅に改善

医療法人 和光会

医療法人 和光会

課題
入退所スケジュール管理、情報共有、業務効率化

目次

複数人がエクセルを操作し、入退所表を管理する大変さ

まずは医療法人 和光会様について教えてください。

医療法人 和光会は、社会福祉法人 寿光会とともに「出口グループ」を構成する組織です。

出口グループは、昭和29年、長崎県諫早市にて出口医院レディースクリニックの開業から始まった組織で、70年以上にわたって「笑顔あふれる医療と福祉の実践」をスローガンに地域医療・地域福祉に貢献してきました。

創設者である故・出口喜男(前理事長)が産科の医師だったことから、「人生の始まりから終わりまでを支援する」という理念があり、グループとして、病院、介護医療院、介護老人福祉施設、養護老人ホーム、盲養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、グループホームなど、幅広く事業を展開しています。

 

 

その中の一つである和光会の恵仁荘は、居宅介護支援、短期療養生活介護、短期入所生活介護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションなどのサービスを提供する介護老人保健施設です。

ベッド数は100床(別にショートステイ5床)で、個室部屋・2人部屋・4人部屋から構成されています。職員数は約150人で、うち入所部門の相談員は4名です。

ペースノートは、この恵仁荘の入退所や送迎の予定管理に使用しています。

ペースノートを導入する前にはどのような課題があったのでしょうか?

当施設では介助量や医療ケアの有無によってフロアを分けており、部屋の入れ替わりが頻繁にあります。ショートステイの方と入所の方を離すために移動させることもありますし、多床室で男性または女性の問い合わせが集中したときは性別調整が必要です。

感染症の流行時期はゾーニングの必要があり、さらに部屋移動が多くなります。

 

 

以前はエクセルで入退所表を作成・管理していたのですが、現場の方に何度も確認に行ってシミュレーションしなくてはならず、とにかく作成に時間がかかっていました。

前任者が作成したフォーマットをもとにしていたのですが、部屋を移動するたびに一つひとつ手作業で名前をコピーして入れ替えなくてはならないので大変でした。

名前の入力ミス、重複などもあったと思います。

地味な部分ですが、先月の表をコピーして今月の表にするというやり方だったので、30日しかない月の表に31日目の列を挿入したり、入退所者の人数やベッドの稼働率の計算式が間違っていないか確認したりするのも手間がかかっていましたね。

 

 

また、1つのエクセルファイルを相談員4人で共有していたため、誰かが編集しているときに他の人が開くと、直前に修正した分が反映されていないという問題もありました。

修正は毎日のように起こるので、入退所表はパソコンで開きっぱなしにしておくことが多いですが、見ているファイルが最新のものではなかったり、保存がうまくできていなかったりするケースが頻発していたのです。

 

 

エクセルファイルでは、各セルに入退所の時間をコメントで入れていたのですが、コメントを開くと他のセルの情報が見えなくなったり、変更の際に情報をコピーアンドペーストしても前のコメントだけが残ってしまったりするのにも困っていました。

エクセルの入退所表は、現場の職員さんにどのように共有していたのですか?

現場の職員には、このエクセルファイルをベースに、入られる方の名前と部屋などを1週間分まとめた現場用の入退所表を作成し、印刷して手渡していました。

その後で予定変更があれば各フロアに電話をかけて変更内容を伝えて、大幅な変更があれば再度作り直し、印刷し直して届けていました。口頭でのやりとりだと双方に伝え忘れや記入漏れが起こり、情報共有がうまくいかないこともありました。

管理の業務負担軽減を期待し、ペースノートを導入

ペースノートを知ったきっかけと第一印象をお聞かせください。

事務長が、2024年7月に福岡で開催されたCareTEX(ケアテックス)という展示会でペースノートのことを知り、「こんなのがあるよ」と教えてくれたことがきっかけです。

 

 

エクセルで入退所表を管理し、印刷して現場と情報共有するというやり方は非常に手間ひまがかかっていましたが、それでも超強化型の算定要件を満たす高い稼働率と超強化型の算定要件を維持することができていました。

それで「大変だけど、これが普通なんだろう」「今のやり方に慣れてしまっているし、このままでいいだろう」と考えていたため、最初は「ペースノートを導入したとして、果たして使いこなせるのだろうか」と思いました。

 

 

しかし、話を聞いていく中で、相談員の4人が同時に管理画面に触れることや、それまで別のソフトで記録していた新規の問い合わせ管理を一体化できることがわかり、デモで操作感の良さ・便利さも実感できました。

とはいえ、エクセルからペースノートに変更したらどのような運用方法になるのかが具体的にイメージできず、今までエクセルでできていたことができなくなるのではないかという不安もあって、導入に踏み切るまで3か月ほど悩みました。

ペースノート導入の決め手になった部分があれば教えてください。

事務長が相談員をしていた当時、1人で対応していたこともあり、エクセルによる入退所スケジュールを自ら作成し業務をこなしていました。

現在は4名体制となり、情報共有の重要性が増す中で、エクセル管理では業務負担が大きく、残業も発生している状況でした。

そうした現場の課題に配慮し、「具体的な活用イメージがまだ持てなくても、業務効率化できるなら使ってみよう」と、事務長が導入を積極的に後押ししてくれたことが大きな推進力になったと思います。

 

 

どんなことでも、新しいやり方に変えるときには不安や迷いがつきものですが、やってみないと何も始まりません。切り替え直後は戸惑いもあるでしょうが、使っていくうちに慣れるだろうと考えました。

 

 

そして、2024年12月にペースノートを利用開始。1~2か月間はエクセルに入力したものを見ながらペースノートにデータを打ち込むという併用スタイルをとり、徐々にペースノートだけで管理するやり方に移行していきました。

入退所表の管理業務だけでなく、情報共有も格段に改善

ペースノートを使うようになって、入退所表を作成・管理の負担は軽減されましたか?

エクセルのセルにある名前をコピーアンドペーストしたり、入れ替えたりする作業がなくなったので、時間をかなり短縮できたと感じています。

以前のように、いま開いているファイルが最新情報かどうかを気にしなくてよいし、エクセルのコメント機能を使って入退所の時間や入退所前の情報などを入力する不便さも解消されました。

体感として、毎週1〜2時間ほどは作業時間が短縮できたと思います。

 

 

また、それまでは一人の相談員がメインでエクセルを管理していたので、部屋移動に関して「この方をこちらの部屋に移して、あの方をあちらの部屋に移して……」「こっちをこうしたら、あっちはどうしようかな」といった心理的な負担が集中していました。

 

 

しかし、ペースノートを使い始めて全員が同時に編集できるようになったので、一人に負担が集中したり、他の人が状況を把握できなかったりということがなくなり、自由度と公平感が生まれました。

その結果、相談員同士の関係性もより良くなってチームワークが高まったと感じています。

 

 

現場の職員への情報共有に関して、変化があれば教えてください。

以前はエクセルの入退所表をベースに1週間分の予定表を印刷し現場に配っていましたが、ペースノートに完全に移行してから「もう週間予定表を紙で印刷しないので、ペースノートで最新情報を見てください」と案内しました。

それでも紙がなくなることへの不安なのか、慣れたやり方を変えることへの抵抗感なのか、決まった後もしばらくは「紙の予定表はないの?」と聞く職員もいましたが、その都度説明をして、ペースノートを見ることに慣れてもらうようにしました。

 

 

おかげで、相談員が現場用の予定表を作成・印刷して各階に届けにいったり、修正があれば電話で伝えたり、印刷し直して再度届けたりする手間や時間が削減されました。

4人の相談員にはペースノートの編集権限を、それ以外の現場の職員には閲覧権限を付与しているので、現場の職員が誤って情報を書き換えてしまうこともありません。

 

 

以前のように、伝え忘れや記入漏れで情報共有がうまくいかないこともなくなりましたし、現場の職員にとっても、相談員に問い合わせをしなくてもペースノートを見れば1週間以上先の入退所の予定も把握できるので、いろいろと円滑に進み、便利なようです。

それ以外に「ここがよかった!」という部分があれば教えてください。

直感的な操作での入退所調整ができる機能があり、転室、ショートステイなど、複雑な部屋管理がボタン1つで完了するのがいいですね。

仮予約の機能もあり、2泊3日のショートステイでも気軽に押さえておけるので、効率的な運用が可能になったと感じます。

業務負担を軽減し、連携をより良くしたい事業所におすすめ

これからペースノートの導入を検討している方のアドバイスをお願いします。

何かを変えるときには勇気と勢いが必要ですが、私たちはエクセルでの入退所表の管理からペースノートに切り替えて、管理業務にかかる時間を短縮できたり、現場との連携しやすくなったりと、嬉しい変化がたくさんありました。

 

 

エクセルと完全に同じではないので、使う側もペースノートの機能に順応して柔軟にやっていく意識は必要ですが、エクセルでの管理に大変さを感じている事業所や、相談員と現場職員の間の情報共有や連携に課題を感じている事業所には導入をおすすめしたいです。

最後に、今後の展望やペースノート社への期待をお聞かせください。

少し前からペースノートに完全にデータを集約できるようになったので、今後は稼働率だけでなく在宅復帰率の自動計算などの機能も活用していきたいです。

サポートに関しては、連絡するとすぐに対応していただけるので満足しています。

本日も取材で来られただけでなく、以前お伝えした要望の開発状況とリリース時期を教えていただき、より使いやすくなりそうだと期待が高まりました。

その他にも使い勝手がよくなる機能開発をお伝えいただいたので、これからも改善をよろしくお願いいたします。

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