介護老人保健施設
2026-01-05
高い稼働率を保ったまま、手間を大幅に削減できた。人と組織を持続させるペースノート

- 施設名:
- 介護老人保健施設寺田ガーデン
- 所在地:
- 岐阜県岐阜市寺田7丁目77番地
- ベッド数:
- 100
- 相談員数:
- 4
- 課題
- 業務効率化、情報共有、多職種情報共有
目次
手書きの非効率性と、業務の属人化が課題になっていた
まずは医療法人和光会 介護老人保健施設寺田ガーデン様について教えてください。
私ども和光会グループは、医療法人、社会福祉法人などが一体となり、地域の医療・介護・障がい・子育ての総合的なサービスを提供しています。1925年に岐阜市東金宝町に創業した山田内科小児科医院から始まり、今年100周年という節目の年を迎えました。
現在、岐阜市を中心に80以上の事業所を展開しており、職員総数は約1,800名です。
グループ全体で「みんなを笑顔に。」を理念とし、「どんなときも、安心して笑顔で暮らせる地域社会の創造」をビジョンに掲げています。ご利用者だけでなく、ご家族、職員など、関わるすべての方々に笑顔の輪を広げていくことを大切にしています。
医療法人和光会の事業所の一つである寺田ガーデンは、1995年設立、2020年に新築移転した、100床規模の超強化型の介護老人保健施設です。入所がメインですが、1割程度はショートステイに使っています。1ヶ月あたり約220名の入退所があります。
ペースノートは、相談員が中心となって編集権限で使用していますが、各フロアの介護職員、看護職員、リハビリ職員、管理栄養士といったすべての職員にも閲覧権限を付与し、情報共有に努めています。
ペースノートを導入する前にはどのような課題があったのでしょうか?
それまでは印刷した紙に手書きをして入退所表を管理していました。入退所が頻繁にあり、変更も多い状況では、手書きが一番修正しやすかったためです。
入退所表は相談員全員で共有し、消せるボールペンで記入していましたが、消すときにこするので破れやすいことが難点でした。普通のコピー用紙ではなく厚めの紙を使ったり、裏面をテープで補強したりと、アナログな工夫をしていました。
また、毎週末に、各フロアに共有するための翌週分の入退所一覧を作り、エクセルファイルでも共有していました。つまり、手書きの紙と、エクセルファイルの両方で情報共有をしていた形です。
当時の一番の課題は、業務の属人化でした。部屋とベッドの管理はパズルのようなもので、どこに誰を当てはめていくかを決めていくのは簡単ではありません。相談員は4名ですが、特定の職員にその業務が偏ってしまい、その職員の不在時にお問い合わせをいただいても即答できないことが課題でした。
かなり手間がかかったのではないでしょうか?
コロナ禍のときは、1フロアで陽性者が1名出ると、保健所から入退所を止めるように連絡がありました。フロアと部屋の移動をすべて紙に手書きで行わなくてはならず、本当に大変でした。
寺田ガーデンは3フロアあり、全フロアの介護職員と看護職員、医師、管理栄養士、リハビリ職員、さらに送迎のスタッフにはエクセルで予定を共有していました。予定が変更になると、その都度すべての部署に連絡をしなくてはならず、無駄な作業が多く発生していました。
場合によっては毎日のようにショートステイの変更があり、負担が大きかったです。
また、入退所表や部屋割り表以外にも、待機者リストや転入先・転出先の情報、カレンダーなどの複数のエクセルファイルを使って運営管理をしていたのですが、いろいろなファイルがバラバラに存在していたのも課題でした。
施設としての持続可能性を考え、ペースノートを導入
ペースノートを知ったきっかけは何でしたか?
手書きやエクセルファイルでの情報管理および共有に限界を感じており、クラウドを活用できないかとずっと考えていました。
令和6年度の介護報酬改定において生産性向上推進体制加算が盛り込まれたこともあり、現場での見守りシステムやインカムの導入に加えて、相談員の業務もICTを活用して業務効率化や生産性向上を図れたらいいと思い、いろいろと調べていくなかで、ペースノートのことを知りました。
機関誌『老健』か『日経ヘルスケア』で見かけて興味を持ち、ネット検索してホームページを見たのですが、当時のペースノートはショートステイのみの機能で、「空床利用の管理は難しそうだな」と判断し、問い合わせをしなかったんです。それからしばらく経ち、老健版がリリースされたことを知り、現実的に導入を考えるようになりました。
ペースノート以外のソフトと比較検討はされましたか?
ペースノートを知ってから、同じようなシステムがほかにもあるかもしれないと、いろいろ探してみました。そのなかで、入退所表の見た目も含め、自分たちがやっている感覚に一番近く、マッチしそうだと感じたのがペースノートでした。なので、「複数の候補製品を比較した結果、ペースノートが一番良いと思います」と上申しました。
ただ、寺田ガーデンはベッド稼働率97%前後で安定しており、超強化型もずっと維持できていたので、経営幹部からは「ペースノートを入れることでどのような効果が得られるのか」と厳しく問われました。
ペースノート導入の決め手になった部分があれば教えてください。
「高い稼働率を維持できているのにペースノートを導入する意味があるのか」という問いについては、特定の職員に頼りきらない管理方法の必要性を訴え、クラウドサービスを使うことでいかに業務効率を上げていけるかを説明しました。
決め手になったのは、法人の常務理事、施設長、副施設長、相談員の4名で、実際にペースノートを導入している施設の見学ツアーに参加させてもらったことです。管理の実例や得られる業務改善効果を見せてもらい、稼働率への影響を実感しました。
施設としての持続可能性を考えたとき、やはり稼働率は非常に大事です。今後も超強化型を維持しようとするなら、それなりの人件費をかける必要があり、業務が属人化している状態は法人としても望ましくないという共通認識が持てたので、そこからはとんとん拍子で話が進んでいきました。
業務効率化ができ、よりご利用者に向き合えるように
2025年4月にペースノートのトライアル導入、5月から正式に運用を開始されましたが、周囲の反応はいかがでしたか?
実は、ペースノートを導入する前に、インカムやチャットツール、タスク管理ツールを使うためのスマホを全職員に持たせていました。業務にスマホを使用することが習慣化されたタイミングでペースノートを導入したため、紙からの移行は比較的スムーズでしたね。
ペースノートの操作がシンプルだったことも大きいと思います。導入時に「こうやって触るとやりやすいよ」と助言したり、触る機会を多く持たせたりという工夫もしましたが、表に色を塗ったり、線を引いたりするだけで感覚的に操作できるので、皆すぐになじめました。細々したボタンや余分な情報がなく、すっきりしているから見やすいのでしょうね。
業務効率化の実感を得られましたか? 具体的な変化があれば教えてください。
はい、紙とエクセルで管理をしていたときは、6~7種類のファイルを扱っていましたが、ペースノートにより一本化できました。
それまで週末に行っていた入退所表の作成・コピー・現場配布に、毎回1時間から1時間半ほどかかっていましたが、それが丸ごとなくなりました。日々の細かな変更も簡単に共有できるようになったので、体感では1日あたり30分から1時間ほど時間削減できています。
入退所管理業務がコンパクトにできたおかげで、相談員の本来の業務である在宅復帰支援や在宅療養支援に注力できるようになりました。身体的にも精神的にもよりご利用者やご家族に向き合えるようになり、老健としての本来の役割を担えている実感があります。
情報共有については変化がありましたか?
正式導入をした翌月には、紙とエクセルファイルでの情報共有はすべて廃止しましたが、大きなトラブルも起こっていません。かなり早い段階で効率化ができ、情報共有が円滑になったと思っています。
以前は入退所の変更があれば入退所表を作成しなおして再配布していましたが、チャットツールを用いてペースノートの確認を依頼するだけで済むようになりました。また、出先でショートステイの空床の問い合わせがあったときも、スマホからその場で確認して、即答できるので、機会損失をなくせました。
それ以外に「ここがよかった!」という部分があれば教えてください。
ペースノートのFAX送信機能ですね。もともと入所の空床状況を伝えるために月500件以上のFAXを送信していたのですが、リソース不足で、ショートステイの空床状況の送付までは手が回りませんでした。ペースノートを導入して自動で空き状況がカレンダーに反映されるようになり、月に2回、毎回120件ほど、営業FAXを送れるようになりました。
導入して半年ほど経ちますが、FAXを送信したことで、それまでお付き合いのなかったところからお問い合わせをいただくことが何度もあり、新規開拓のきっかけ作りになっていると感じています。定期的にFAXを送ることで「常に満床というわけではなく、ご利用者を求めています」というスタンスをアピールすることもできています。
そのFAX送信のみが要因とは断言できませんが、ショートステイのご利用者が増えており、季節による稼働率の波がなくなってきている印象です。
人と組織が健やかに持続していくためのペースノート
ペースノート社の開発の姿勢やサポート体制に関しては、どう感じていますか?
システムのアップデートがあれば都度連絡をいただき、こちらからお伝えした要望も開発に活かしていただけていると感じているので、とても好印象です。きちんと行動で示してもらえると思うと、「ここをこうしてほしい」と言いやすいですから。
サポート体制については、導入時の設定を行ってもらえたおかげでスムーズに運用を始められましたし、定期フォローアップのほかにもわからないことがあって問い合わせをすると、すみやかにリアクションしていただけるので、非常に満足しています。
これからペースノートの導入を検討している方のアドバイスをお願いします。
世の中全体の流れとして、生産人口が減り、働き手が不足しているなか、老健で優先されるべきは現場だと思います。相談業務や入退所管理を行う部署は、限られた人材で実に幅広い業務に対応していかなくてはならないので、業務効率化が喫緊の課題と言えるでしょう。
相談員が長く健やかに働いていくためには、業務効率化をし、在宅復帰支援や在宅療養支援といった本来の業務にしっかり時間を使えるようにすることが大切です。
施設としての持続可能性を考えたときに、経営幹部としては数字を求めるのは当然ですが、個人に負担をかけすぎるとどこかで無理がきます。それよりペースノートのようなシステムをうまく使うことで、情報を“見える化”して共有しながら進めていくのが良いと思います。
最後に、今後の展望やペースノート社への期待をお聞かせください。
寺田ガーデンはもともとベッド稼働率が安定している状態だったので、稼働率の向上というより、業務の改善や効率化、情報共有のストレスを減らすことを目的としてペースノートを導入しました。すでに期待していた効果を実感していますが、さらに施設として使いやすいようにアップデートを進めていってもらえるとありがたいです。
まだ導入して1年経っておらず、データを蓄積している段階だと思いますが、ゆくゆくは、システムが運営のアドバイスをしてくれたり、昨年のデータから導き出されるレポートのような機能が実装されると、営業先の検討や戦略策定に役立てることができるので、今後のアップデートを期待しています。